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海王丸と富山湾の曇り空

読書感想2 「なぜ日本企業は勝てなくなったのか: 個を活かす「分化」の組織論 」(新潮選書)

前回の読書感想の続きだ。アマゾンから本が届いたのでさっそく読んでみた。

残念ながら読む前に危惧した通りの内容だった。もともと「分化」の意味が気になっていたのだが、本の最初に定義があった。広辞苑の「均質のものが異質のものに分かれること。また、その結果」を著者が少し修正し「個人が組織や集団、あるいは他人から物理的、制度的、もしくは認識的に分けられること」が分化の意味だそうだ。

そうかなあ、少しの修正ではなく都合の良い修正の気がするし、そもそも著者の定義は何を言っているのか良く分からない。「未分化」であっても個人は他人から物理的にも認識的にも分かれているし、課長と部長がいれば制度的にも分かれているのではないか。私の頭が悪いのだろうか。

本の内容は、電通の「過労自殺」、東芝の不適切な会計処理、東洋ゴムの「免震ゴムデータの改ざん」(分からないではないがゴムデータはないと思う。検査データの改ざんだ)、三菱自動車の燃費試験不正、警察の不祥事等々と新聞の切り抜きのような内容が続く。さらに「集団無責任体制」、「たこつぼ」化(極端な組織の縦割り、もしくは閉鎖性の意味)、「ブラック企業」問題、共同体的組織、パワハラ、セクハラ、イジメ、「女性活躍推進」・・・・とよくある話が続き、すべての問題の原因が「未分化」にあるとされる。

だから「分化」すれば、大方の問題は解決する、日本企業も勝てるようになる。「分化」を仕掛けるには、外圧や異分子を投入する、物理的に分化する(机を離したり、向きを変えたりすることらしい)。あるいは縦の「分化」をフラットにする?分化もやり方を間違えるとダメなようだ。

いやはや、新聞や雑誌を切り抜き、もしくはネットの記事をコピペし、「分化」、「未分化」の言葉を放り込んで一丁上がり、という感じだ。言葉の使い方や切り抜きの引き写しも、かなり適当だ。評価するとすれば「切り抜き」的価値ぐらいだろう。

引用されている問題を一つひとつ丹念に追いかけ、それらの問題に潜む複雑な原因なり要因を紐解き、それぞれの現象の差異を明らかにすることが大切だと思う。世の中、そんなに単純ではないし、簡単に企業は生き残れない。

それとアマゾンの☆5とは何だろうか。食べログの評価と同じだと思えばいいのだろうか。ひとつ、学んだ気がする。

暇つぶしに始めたブログの最初に選んだ本としては、まあ、良かったかもしれない。