I don't think so !

じゃあ、お前はどう考えるのだ!

サラリーマンとしての基礎的能力は訓練によって身につけることができる/思考能力編①

思考能力、考える力というのも、文章能力と同じで、サラリーマンに必要なレベルであれば、コツをつかみ、実践することによって身につけることができる。サラリーマンはサラリーマンがゆえにプロ棋士や哲学者、物理学者級の思考能力は必要ない。

経験上、だいだい次の5つの思考法で足りるような気がする。一見、多いように見えるが、慣れれば自然と思考できるようになるものばかりだ。いずれも簡単な訓練や作法の習得で身につけることができる。

①列挙能力―――要因の洗い出し能力

②ドリルダウン思考法―――問題の原因や本質に迫る究明力

③プラス・マイナス型思考法―――絶対的正解がないときの問題点の整理術

④松竹梅型思考法―――選択肢を用意する処世術

⑤抽象化能力―――教訓を引き出す思考術

<列挙能力(洗い出し能力)>

トラブルの原因を究明するにせよ、新しい装置やシステムの導入を検討するにせよ、そこには必ず3つ以上、考慮しなければならない要因や要素がある。この「3つ以上の法則」を素朴に信じること、それがスタートラインだ。

次にワープロを使って、自動の段落番号を付加して思いついた要因や要素を書き出す。思いついたことに対する判断はいったん保留して、3つ以上思いつくままに書き出すのがコツだ。自動の段落番号を付加していれば、後からマウス操作で簡単に行を入れ替え、整理し直すことができる。段落番号は自動的に振り直される。

もう20年以上前になるのだろうか。最初にこの機能をワープロで発見したときは、こんなに便利なものはないと感動したことを良く覚えている。考えなくてはならないことを思いつくままにパッパッパッと打ちこんで、サッサッサッとマウスで順番を入れ替える。あるときは優先順位の高いものから並べたり、あるときはグーピングしたり、とにかくパッパッパッのサッサッサッで整理できるのだ。以降、私の思考整理術として愛用してきた。

思いついたことに対して判断を保留するというのは、良くあるケースだが、頭の中だけで判断しながら考えていると堂々巡りに陥りやすい。ブレスト(ブレーンストーミング)の基本ルールの一つに、誰か言ったことを批判してはならない、というのがあるが、それと同じだ。批判や判断という行為が介在すると多くの人は堂々巡りの思考停止状態になりがちだ。いったん判断を保留するというやり方は、実のところとても有効な思考方法なのだ。

3つ以上列挙して、ワープロに書き出す、という訓練を続けると、自ずと列挙能力は身につくし、3つ以上が、常時、5つ以上になるとしめたものだ。これだけで「あいつはきちんと必要なことを考えている奴だ」と思われる。

一人ブレストでも構わないし、機会があれば部会や課会などで集団ブレストをやるとより効果的である。自分が思いつかなかったことがある、ということを知ることは、とても大切なことだ。「そうか、考えつかなかった」と率直に感心すればするほど、思考の幅は自ずと広がる。

以上、簡単なようだがこの列挙能力はとても重要だ。自分が思いついた、たった一つのことに固執する人間は意外と多い。それだけではないだろう、他の見方もあるだろうといくら指摘しても、本人はそれが絶対的に正しいと思い込んでいるから、もうどうしようもない。頭の固い奴だと片づけるしかなくなるのだ。