I don't think so !

じゃあ、お前はどう考えるのだ!

中国人が教える日本のメディアの問題点

今朝(2017年8月10日)の朝日新聞、読者の声欄に中国人の語学講師が寄稿していた。「物理五輪 高校生の偉業に光を」。7月インドネシアで開催された国際物理オリンピックで、金メダル2個、銀メダル3個を日本の高校生が取ったことに大きな拍手を送りたいし、もっと注目されていいニュースなのではないか、と指摘しているのだ。

日本のテレビでは目立った報道がなく、新聞の扱いも小さい。これが中国だったらテレビでトップニュースになるのではないか、とのこと。「物理・数学・化学などの学問は人類の発展に大いに貢献する分野だ。それに没頭する高校生は日本の将来を担う人材になるだろう」。まったくその通りだ。

高校野球が毎試合テレビで放送され、加えて全局、スポーツニュースや報道番組などで何回も事細かに取り上げているのに対して、同じ高校生が世界を相手に戦っている物理五輪をほとんどの日本のメディアは注目しない。この落差を中国人講師は素朴に疑問に感じたのだろう。不思議の国・ニッポン。

朝日新聞の読者の声の担当者も、当事者でありながら同じような疑問を感じたから中国人講師の声を取り上げたのだろうし、私はもっともっと大きな疑問を、ずっとずっと以前から感じていた。恐らく中国人講師だけでなく、身内の日本人からも同様の声は寄せられたのだろうが、あえて中国人講師の声を取り上げたのは、朝日新聞の自戒を込めた演出だったのかもしれない。演出とは中国人に(外から)言われて初めて気づくヘンな私たちニッポン人、という演出だ。

人間の能力は多様だ。走る、投げる、飛ぶ、蹴る能力、記憶力や理解力などの能力、絵画や彫刻などの表現力、楽器の演奏能力、歌唱能力、早食い、大食い能力など数え上げたらきりがない。

しかし残念なことに私たちの大半は凡人であり、だからこそ甲子園や国際陸上、スポーツ五輪、物理五輪、大食い競争などがニュースとなるのだ。確かに競技人口や興味人口あるいは投じられるお金などでニュースの取り上げられ方は偏ってしまうのかもしれない。しかしメディアには多様な能力が人にはあることを、しっかりと伝えてもらいたい。

単に芸能人が遊んだり、食べたり、騒いだり、頭の悪さをさらけ出したりする番組や金太郎飴のように同じ事件やスキャンダルを流す番組を、もっと削った方がいいのではないか。子供たちや若い世代が夢を持ったり、頑張る気になったりする番組をもっと増やした方がいいのではないか。それが大人の役割だ。

ここで物理五輪の内容を紹介しておくと、

「今回は日本代表5人のうち2人が金メダル、3人が銀メダルをそれぞれ獲得した。・・・今回は48回目で7月17日から23日までインドネシアで開催され、86の国と地域から395人が参加した。日本は2006年から参加し、毎年5人が参加している。2022年には日本で開催される予定。毎回理論と実験の問題に5時間ずつ挑戦し、成績上位者の約8%に金、次の約17%に銀、次の約25%に銅メダルが贈られる。」

出典:サイエンスポータルhttp://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2017/07/20170725_01.html

物理五輪の問題は面白い、というか凄い。次のサイトに物理五輪の問題が掲載されている。解いてみようなどと無謀なことは考えずに、高校生たちが戦った世界の一端を知って欲しい。一応理系出身の私だが、気持ちのいいぐらい歯の立たない問題ばかりだ。というか、そもそも問題の日本語の意味が分からない。特に選択型のチャレンジ問題ではなく、理論問題や実験問題が面白い。

物理五輪問題:全国物理コンテスト 物理チャレンジ http://www.jpho.jp/

この際、ついでだから、消えた方がいいと、ずっと思っていた番組を並べてみよう。

①脅迫型医療番組

やたらと白衣の医者が登場する番組が多い。健康そのものが善で、病気にならないように歩け、運動しろ、指定したものを食べろ、それが人としての正しい生き方だという番組は、寝たきりになっても死ねない丈夫な身体づくりを目指しているだけだろう。寝たきり推進番組だ。長生きしてどうしろというのだ。

それと体調に異変があったら、恐ろしい病気かもしれないという脅迫型番組は、病院通いの勧めでしかない。医者の過労死推進番組だ。病院はますますジジババのサロンと化す。

②ニッポンのここが凄い的番組

凄いし、頑張っているのは番組に出演している人であって、日本人も外国人も関係ない。それをのほほんと横になって見ている私たちニッポン人はどこも凄くないのだ。凄くもないニッポン人が自分は凄いと勘違いすると「中国人」や「韓国人」のようなニッポン人になり、ヘイトスピーチをしたりする。私は日本人のように真面目で頑張っている何人もの中国人たちと仕事をしたことがあるし、頑張っている多くの東南アジアの人たちと接してきた。かなり前から大学の研究室は留学生がいないと成立しなくなっているし、大手企業の技術部門も同じだ。外国人を採用できない中小企業の技術部門にいたっては悲惨な状況にある。いずれもニッポン人の多くが頑張らないし、凄くないからだ。

③絶叫型下品コンテンツ

タレントがうるさいコンテンツ。番組だけでなくコマーシャルもだ。とにかくやたらと叫ぶ。食べ物を見ただけで、車に乗っただけで、人に会っただけでワー、キャー、ギャーと叫ぶ女子アナ、イケメン、イケメンと連呼するだけのアホな女性タレント、下品なだけのガサツな男性タレント、自分たちにしか理解できない長々、ダラダラの内輪話。最悪なのは早口のかん高い声でまくしたてること。年寄りには何を言っているのかまったく分からないのだ。若い人たちの視聴人口は減り続け、年寄りの視聴人口が増え続けているにもかかわらず、コンテンツ制作はどんどん若い人向けになっている。高い金をかけているのに、何を言っているのか分からないコマーシャル。何を言っているのか分からないので雑音でしかないのだが、繰り返し放送されるので気になって仕方ない。耳障りだ。